水月 ネタバレ
- 出版社/メーカー: F&C with Shall-luck
- 発売日: 2007/10/26
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以下ネタバレ
はじまりは少女が流した涙だったかもしれない
『水月』を昨今の「自分探し」という文脈で見たとき、透矢が「本当の自分」を見つけるという事は、同時に数限りない可能性の中から「本当の世界」を選び、磐石な現実として安定させるという事でもある。この時、透矢の世界を不安定にさせていた最も大きな要因と考えられるのが「再会の約束」だ。透矢には「約束を果たせないでいる」という罪悪感があるからこそ、洞窟で那波に追われる夢を見てしまったりするわけだ。
ところで、この「約束」には実体がない。漠然とした罪悪感に悩まされる透矢には、「約束」自体にも様々な可能性があるからだ。
前世で交わした、七海とナナミの「約束」である可能性。
公園で交わした、和泉との「約束」である可能性。
マヨイガで交わした、ママとの「約束」である可能性。
病院で交わした、雪さんとの「約束」である可能性。
透矢が約束を果たし、「約束の少女」への罪悪感から開放されたとき、透矢の世界は安定に向かう。逆に言えば、「約束の少女」への罪悪感から開放されさえすれば、別に約束を果たさずとも透矢の世界は安定する。だから透矢が「約束を忘れる」という選択をする花梨シナリオの場合は、どうしても思い出せない「約束」の可能性がひょっこり出てきて帳尻合わせされるわけだ(「こんな約束をする夢を見たんだけど花梨だっけ?」、と訊ねたら「知らない!」と花梨に怒られるあのイベントである)。問答無用で少女に髪飾りを渡してあげる鈴蘭シナリオなんかはちょっと裏技かもしれない。わはー
あ、双子ですか? うーん、実は双子だけ該当する「約束」が見当らないんですよねぇ。なんか見落としがあるのかなぁ…