ひぐらしのなく頃に (ほぼバレなし)

次に日記を更新するとき、俺はひぐらしをコンプしているッッ!!!
……とか思ってたら一週間もかかっちゃったよ。毎日3〜4時間以上かけて読み進めてたはずなんだけど、やっぱり僕は読むのが遅いんだな。


で、話は凄く面白いです。でも「面白かった」とまでは、やはり解答編を読むまでは言えないかなぁと。僕は数々の不思議現象が納得いく形で解明され、見事に犯人が断定されたときにこそ、このゲームを称賛したいと思います。正直、これだけ大掛かりかつ理不尽な現象が、オカルト無しに説明できるとは信じ切れません(ちなみに「自由に幻覚を見せられる薬」とかだと、よほど説得力がない限りオカルトと変わらないです)。いっそ曖昧にホラーとしてまとめた方が良かったのではないか? とか今の段階で思ってしまってますからね。


それとこのゲームは、「プレイヤーが推理して謎を解く」というコンセプトなのですが、それに関する評価も、今の所は何とも言えないです。僕はこれ、最初は論理的な知能ゲームかと思ってたんですよ。確かな証拠や証言といった手がかりから、論理的に可能性を潰していって、最終的に犯人が断定されるような。たとえば『鬼隠し編』の部活動で推理ゲームが行われますが、正にああいうのを期待していたわけです。


しかしねぇ…。実際に他所で見かける「推理」というのは、これはもう論理的な確実性を持たない想像というか妄想にすぎないでしょ。いま公式の掲示板に繋がらないからハッキリとは言えませんけど、検索して少し見てまわった限りでは、「推理」と呼べるようなものは皆無でした。確かに中には犯人を的中させている人がいるのかもしれません。でもそりゃあ、来週のジャンプの展開を予想しあって、その当てずっぽうの予想がたまたま的中したというレベルじゃないの? 予想と推理じゃ全然違いますよ。


ちょっと自分が刑事とか探偵になったところを想像してみてください。貴方は犯行の動機と手口を見極め、犯人を断定しなくてはなりません。ポイントは、「おまえが犯人だ」ということは言うだけならいつでも言えるということです。疑うだけなら最初から誰でも疑えますし、手口や動機も証拠が要らないならいくらでもストーリーを捏造できるでしょう。でもそういうのは単なる想像であって、推理じゃあない。どこにも理詰めがない。(部活動の推理ゲームを考えれば、その辺は理解できると思います)


ここで問題になるのは、そもそも『ひぐらしのなく頃に』は、ちゃんと解けるように出来てんのか? ってことです。作中の『祟り殺し編』でミステリ好きの圭一の母親が言っているように、解けてしまった犯罪は完全犯罪になりません。ミステリ小説の犯罪は、完全犯罪じゃないからこそ解くことができる。というより、わざと解けるように出来ているのです。易しい難しいの差はもちろんあるけれど、解けない問題はもはや問題とは言えないでしょう?


問題であるからには、理詰めで解けなくてはおかしい。理詰めで解けるのならば、解けた瞬間に他のあらゆる可能性が潰え、唯一無二の解答として確定しなければおかしい(その時点でまだ他の可能性が残っているのなら、それは推理が不完全か、そもそも証拠が足りていない)。つまり、ネット上で誰かが完璧な推理の末に問題を解いたのならば、その時点で議論は収束に向かわなければおかしいのではないでしょうか?


しかし未だに議論が続いているのなら、それは論理的な解答に至った者がまだ誰もいないのか、そもそも問題が解けるように出来ていないかのどちらかでしょう。まぁ、『祟り殺し編』の圭一の母の発言から考える限り、シナリオライターがその辺に無自覚なわけはないですし、単に誰も解けていないだけなのだと思う、というか思いたいなぁ…。


というわけで、8日の日記に照らし合わせて評価するのならば、(今の所)僕にとって『ひぐらしのなく頃に』のジャンルは、パターンCのファンタジー(ホラー)タイプということになりますか。理性的な楽しさというより、むしろ理性の通じない理不尽さが怖くて面白いです。これが解答編でAタイプに転じたら、マジで傑作かもしんない。