だから世界は美しい

CLANNAD -クラナド- 初回限定版

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CLANNAD

間があきましたけど、今朝ようやくことみシナリオ終了。
素晴らしい。
天然キャラのクセに最後に美味しい所を持っていきやがって。
僕がこういうシナリオ大好きだと知っての狼藉か!(言いがかり)
キャラ好感度も大幅にアップ。流石にKeyは話のまとめ方が上手いですな。


▼ (以下、 少しバレ)

『真理を探求する者は、傲慢であってはならない』
『科学の言葉で語り得ないからといって、奇跡を嘲笑してはならない』
『この世界の美しさから、目を背けてはならない』


奇跡は、起こらないから奇跡と呼ばれる。
一方で、世界は起こり得る事しか起こらない。

世界は無数の物理法則が絡み合うようにして成り立っていて、どんな現象だろうと科学的にその法則を説明できる、はずである。例えるなら、世界とは無数の小さな独立した音が複雑に絡み合い、一つの大きな曲を奏でているようなものだ。どんなに壮大な曲だろうと、それは無数の音の組み合せとして還元できるはずだし、また初めから用意されている音の組合わせによって、奏で得る曲しか奏でられない。

だから世界は起こり得る事しか起こらないし、起こってしまった現象は全て科学的に説明できる、はずなのである。

しかし人間の科学は世界を解明できるほど成熟してはいない。だから傲慢でない賢者たちは、(現段階では)科学の言葉で語り得ない事があると知っているし、逆説的に、「起こるはずのない現象(奇跡)」が起こり得る事をも知っている。少なくとも一ノ瀬教授は、「奇跡」を嘲笑したりはしなかったわけだ。


完全な「世界」と不完全な「人間」との断絶。「大きな物語」と「小さな物語」の断絶を埋めるような形で、「奇跡」という現象が見出される。この構造を、そのままゲームデザインとした物語が『Kanon』と『Air』なのだが、それはまた別の話。