CROSS†CHANNEL

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論語』にこんな話がある。

ある男が孔子さまに、「うちの村には大変な正直者がおりまして、その者の父親が羊を盗んだときも、その子自らが父親の不正を告発したほどです」と自慢したそうな。

ところが孔子さまは次のように切り返す。
「私の村の正直者は、その者とは全く違います。子供が悪い事をすれば親はそれをかくまうし、親が悪い事をすれば子供はそれをかくまうでしょう」

いや、別にこの価値観について、道徳がどうとか社会論ぶるつもりはなくて。
C†Cの友貴は、やはり「儒教文化圏においての『健全』な人間代表」(つまり『普通』の日本人)として描かれてるんだなー、というエロゲ話。ちなみに僕は『論語』なんて読んだ事なくて、漫画でそんなネタがあったのを思い出しただけなので、細かい所は適当。


CROSS†CHANNEL』のシナリオって、とことん構造的というか何というか…。
例えば友貴がジャガイモ作ったりする生産的モダンボーイで、桜庭や透子が消費する一方の新人類である事が偶然のはずがない。突き詰めたらあらゆる設定やエピソードに、規則性や関係性といった「意味」を説明できてしまいそうな気もする。その一方で、設定やエピソードの妥当性を書き手はあまり気にしていない気もする。宮澄姉弟の『論語』もどきのエピソードなんかは、むしろ姉の行動を支持する読み手の方が多そうな気がするし。気がするばっかりですな。

つーか、同じ人が『家族計画』のシナリオを書いたというのは未だに信じ難い。
どっちが良い悪いという事でもないけれど、『家族計画』って規則性とか関係性が見当らなくて、ほとんど行き当たりばったりでシナリオ書いてるように見えるんだよな…。単純に僕に計り知れないだけなのかもしれないけど。