SFという信仰


掲示板で教えてもらったこのコラム


http://www.shiojigyo.com/en/backnumber/0410/main.cfm


「SFとはなんぞや?」
みたいなことを考え出すと、やっぱり誰でも同じ疑問に行きつくよなぁ…。凄く面白いコラムなのでぜひ読んで欲しいのですけど、長めですし簡単に紹介しておこうと思います。まぁ、自分用のメモとしても有用ですしね。

稲葉氏は「SF」を定義するにあたり、

現実世界の背後に「異世界」の存在を予感させるような「異常な事件」こそ、SFならではの主題である


と言います。

ここまでだと、「あれ? じゃあクトゥルー神話はSFか?」という話になりますわな。実際、ラヴクラフトはともかくとして、ダーレスのクトゥルー神話は限りなくSFテイストだったらしいです(この辺は小説版デモンベインの後書きで古橋秀之さんが言及されていて、以前ネタにしたことがあるので興味があればどぞ)。

そう、SFとファンタジーってのは、ある領域で完全に同質なんですよ。まぶらほうる星やつらに違いなんてないし、ドラクエスターオーシャンに違いなんてないのです。やったことないけど。とはいえ『インスマウスの影』とかをSFと一緒にするのはさすがに無理がありますね。そこでSFとファンタジーのカテゴライズの話になるわけです。

ここで稲葉氏は、ファンタジーを「本格ファンタジー」と「ジャンル・ファンタジー」に大別します。その上で、この「ジャンル・ファンタジー」と同じカテゴリに属するSFを、「ジャンルSF」と定義します。これは判りやすくて便利ですね。これが一般的な呼び方なのかどうかは知りませんが、これからは僕もこの呼び方に倣わせて頂こうと思います。おかげで凄くすっきりしました。

で、この「ジャンル・ファンタジー」や「ジャンルSF」と比較すると、「本格ファンタジー」と「本格SF」には大きな違いがあります。

まず本格ファンタジーの場合、作中世界で起こった「異常な事件」は、読者に「ためらい」を引き起こすというのですね。つまり、その「異常な事件」がなんであるのか読者には良く判らんと。現実なのか幻想なのかも不明であると。それは「説明不足」とかマヌケな話ではなくて、結論が出ないからこそファンタジーなのです。らっきょでも橙子さんが言ってました。神秘は神秘である事に意味があると。稲葉氏いわく、本格ファンタジーは「現実世界そのものさえも一種の幻想として体験してしまえる、そうした体質の読者」―――いわば「病人向け」であるそうです。アイタタター!!!(´Д`;)

一方で本格SFの場合、作中世界で起こった「異常な事件」は、徹底的にその実現性が問われます。つまり、一見すると現実世界から断絶しているように見える(異世界の存在を予感させるような)「異常な事件」を、なんとか現実世界と地続きにするべく、その実現可能性を追求する態度こそが本格SFであると。つまり本格SFの愛好者というのは現実感覚が過剰―――「子どもっぽい、大人げない」のだそうです。そ、そこまで言わなくてもいいじゃんよぅ(涙目)。

ちくしょう。悔しいけどわりと当たってるよ…。