涼宮ハルヒの消失(ネタバレ)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)




最初に裏表紙のあらすじを読んで思った。ああつまり今回は、


「いつも宇宙人とか未来人とかに巻き込まれてハルヒに迷惑してるフリしてるキョンが、いざ本当にハルヒがいなくなっちゃったら焦りまくってざまーみやがれこの贅沢もん! まぁ今回だけは特別に元の世界に戻してやるけどこれからはせいぜい感謝するようにナー


……という話なんだなと。
実際、ほとんど予想通りの展開だったんだけど、しかし、これは???


SOS団がなくなってしまった退屈な世界で、キョンはとうとうハルヒを見つけ出す。長門や朝比奈さんや古泉も集まって、なんだかこの世界でも面白そうなことが始まりそうな予感? と思った矢先、さっさとエンターキーを押して一抜けしてしまうキョン。えええ〜〜〜、そりゃないだろ…。


なんというかさ、僕はキョンがエンターキーを押した瞬間、むしろハルヒ長門側に感情移入してしまったんだな。確かにあの世界ではハルヒには何の力もないし、長門は宇宙人じゃないし、朝比奈さんも古泉も普通の人間だよ? でもさ、そんな世界を面白くしていこうってのがSOS団だったじゃないか。なんだ? オマエはハルヒが普通の人間だったら不満だっつーのか? 宇宙人や未来人や超能力者じゃなかったら価値がないッつーのか?


いや、判ってる。そりゃ押すよ。宇宙人に未来人に超能力者だもん。同じ立場だったら俺だって0.0001秒でエンターキー押すよ。でもさぁ、それじゃハルヒがあまりに可哀想じゃないか…。