アンチ・ミステリと呼ばれたがる愚かさ


そういや「マイノリティ」とか「不思議ちゃん」の話の同系列として、「アンチ・ミステリ」というのもありますな。まずこちらの批評。


いわゆる「アンチ・ミステリ」と言われる作品群には、迷宮性とかメタ構造性とか共通点がいくつかあるけれど、それらのスタイルを満たしていれば「アンチ・ミステリ」と言うわけではない。「アンチ・ミステリ」とは、その過剰性ゆえに既存のミステリのスタイルを超えてしまった作品のことを呼ぶのである。「これは迷宮で反現実で過剰だからアンチ・ミステリだぜ〜」とか短絡的に言うのはファッション野郎なのである。


こういうこと言うとき僕の頭の中にあるのは『水月』と『Remember11』であり、いくら二つの作品が構造的に似てると言われても、僕には「まるっきり別物だよ」としか言えない。どちらがファッションなのかはあえて書かないけど。