かもめのジョナサン

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)


第一章の辺りでは、自分の好きなことに熱中してる内に群れから孤立していくジョナサンに共感しながら読んでいたのだけれど、第二章・第三章辺りになると、だんだん宗教じみてきて付いていけなくなってくる。っていうか、ジョナサンUZEEEEEE!!!


まず、ジョナサンが「愛」とか言ってるのが嘘つけ! って感じだよな。フレッチャーみたいに、「連中は盲だ! わかっちゃいない!」とか悪意も隠さずにブーたれてるぐらいなら可愛気があるってもんだけど、「私には悪意なんてありません。別に何も押し付けたりしません」みたいな面したジョナサンは、変に美化されてる分だけ見てて怖気がはしるのである。


うわー、肌に合わねー、とか思ってたら、巻末で訳者が同じようなこと言ってて少しほっとした。



マイナージャンル自体は嫌いじゃなくて、むしろ好きなんだよな。ただ自分がマイノリティである理由を、メジャーに群がる人間の愚鈍さに押し付けて価値転倒を謀る態度は、やっぱり醜悪に思える。いや、正直「なんでお前ら×××の良さが判んないんだ!」って思うことはあるけどね。


でもそういう憤りは他人からすれば迷惑なものだという自覚は欲しいというか。
酔っ払ってんじゃねーよ、というか。