小説版『デモンベイン』3巻(の後書き)

斬魔大聖 デモンベイン DVD-ROM版

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いや、実は小説本編はまだ読んでないんですけどね(またか)。3巻の解説を『ブラックロッド』シリーズの古橋秀之さんが書かれていたので、とりあえず先に読んじゃいました。
その中でクトゥルー神話についての解説から引用。

創始者ラヴクラフトの意図は「“現実”の薄皮一枚向うに正体不明の超存在が蠢いている」というところにあったのですが、しかし彼の死語、後継者ダーレスはそれら“正体不明の存在”を怪獣図鑑のごとく分類し、系統化してしまいました。これを指して「ダーレス分かってねえよ!」と言う人も多いのですが(中略)、しかし―――分かりやすくとっつきやすい「怪獣図鑑としてのクトゥルー神話」がなければ、そもそもラヴクラフトの名も現代に残っていたかどうか。なかなか難しい所です。


あらかじめ断っておくと、僕はクトゥルー神話ってラヴクラフトの『インスマウスの影』ぐらいしか読んだ事がありません。ですから当然ダーレスについては何一つとして知らないのですが、文面から察するに、ひょっとしたらダーレスって古橋さんみたいな作家だったのと違いますでしょうか?

古橋さんの代表作である『ブラックロッド』シリーズは、怨霊とか呪術とか、本来なら「正体不明のモノ」であるはずのオカルティズムが、それはもう徹底的に系統化され、独特の造語によって唯物論的にとらえられ、おもいっきりサイバーパンクな世界観に融け込んでいるんですよ。あれは衝撃だった。

今日あげた『月姫』のレビューにもつながるんですけど、ファンタジーとSFの間に境界線なんてないんだと思う。ファンタジーがSFの境地にまで到達しちゃった『ブラックロッド』シリーズ三部作とか、逆にSFが神秘(ロマンとも言う)を求めて突っ走ったらファンタジー化しちゃったような三枝零一さんの『ウィザーズ・ブレイン』シリーズとか、その辺を読むと目から鱗が落ちる事請け合いです。

科学が未来に向かって疾走しているのなら、
魔術師は過去に向かって疾走しているようなものだ、
とは遠坂家における大師父の言葉だったっけ。

過去も未来も行き着く所は結局同じ。
ゼロに向かって走り続けよ、とかなんとか。


そんな感じ?(や、上のは『Fate』からの引用だけどね)

っていうか、いつか『ウィザーズ・ブレイン』について、もっともっと語りたいぜい。
ショタ × ロリ LOVE! (って、そっちについてかよ)

ウィザーズ・ブレイン (電撃文庫)

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