はるのあしおと (ちょっと和バレ、かも)

はるのあしおと DVD初回特典版

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教師になりたいという樹の目標は、所詮は思いつきに過ぎない。教師になりたいという樹の想いは、「良い教師になれる」と言ってくれた白波瀬への想いから生じたものだ。だからこそ白波瀬に振られた樹は、目標を見失って田舎へと引き篭もる。いつしか樹が白波瀬への想いを忘れてゆけば、そこには意味を失って空洞化した「教師になりたい」という目標だけが残る。したがって、物語の軸は「自分はなぜ教師になりたいのか?」という自身への問いかけになっていくわけだ。目標なんてものは、いつだって「所詮は思いつき」だ。誰かを好きだ、などという想いなど、桜の花が散るようにいつあっけなく消え去ってもおかしくない。


「耳を塞がないで、先生。もう嘘は終りにしたいから。あたしたちの恋なんて幻だった。幻だから、こうして消えようとしているの。ほら、消えていくっていう実感、先生にもあるでしょ?」


「俺が和を好きな気持ちは幻なんかじゃない……」


「幻想にすがるのね、先生は」

………こういう感覚は、ほぼ間違いなく企画の御影さん(ダ・カーポのライター)から来てると思う。だからさぁ、僕はこういうの本当に大好きなんだって!



そういや『ダ・カーポ』やったときに『それは舞い散る桜のように』を思い出したわけだけど、この2つって実は発売日も同じだったのな。


シンクロニシティ!」 「なんという偶然!」


こちらの『ダ・カーポ』評なんて、ちょっと固有名詞いじれば『それ散る』評として通っちゃいそうですよ?