魔術はささやく

魔術はささやく (新潮文庫)

魔術はささやく (新潮文庫)

「私はあの4人の女性たちに、彼女たちが不当に安く手に入れたものに、正しい対価を支払わせてやろうと考えた。それだけのことだ」(本文より)


まちばりあかね☆さんとこの掲示板で、宮部みゆき作品が話題になってて、書き込みついでに久しぶりにざっと読みかえした。うわー、懐かしい。でも何故かつい最近、なにかで似たような感想を持ったような…。

って、分かった。『Fate』じゃん!


Fate』で「魔術の基本は等価交換」みたいなこと言うじゃないですか。今の僕ならすぐに「鋼の錬金術師?」とか思うんだろうけれど、錬金を知らなかったプレイ当時の僕は、その響きに『魔術はささやく』を重ねていたような気がする(気がするだけかもしれないけど)。


この小説は、僕的にツボな部分が多い。つか、実はかなり影響を受けた本かもしれない。なにせ15年も前に書かれた本なので、今更サブリミナル効果なんて言われてもミステリとしては胡散臭いだけで説得力がないけれど、それを差っ引いても良くできた話だと思う。ラストシーンが凄く好き。