夜中に爪を切ると親の死に目にあえない

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先日、夜中に爪を切ろうとして、ふと思いだしたのが先週たまたま読んだ『×××HOLiC』。「夜中に爪を切ると親の死に目にあえない」という例の俗説です。漫画のほうでは最後に爪切りのオバケみたいなのが出てきて豪快にオチつけてくれましたが、でも確かにああいう俗説には何らかの意味があるはずだよなぁと、その晩は爪を切るのを取り止めたのです。まぁ、明日の朝にでも切ればいいや。


ところが毎朝ギリギリまで寝てるこの僕が、そんな悠長な時間を作れるはずがなかったのです。切れねぇ。ほんの5分もあれば済むことなのに、その5分がつくれねぇ(←信じられない人もいるでしょうが、世の中にはそういうだらしのない奴がいるのです)。とうとう三日連続で爪を切り損なって、ようやく僕は気がつきました。


これか? これなのか?


古来においては、手元の見えない夜中にしか爪を切る時間がつくれないような忙しい人たち。現代においては、爪切りという身だしなみの時間すら満足につくることができないだらしない奴。


つまり「夜中に爪を切ると親の死に目にあえない」ってのは、「朝や昼間に爪切る時間もつくれないような奴は、たとえ親の死に目だろうと時間をつくれねえぞ」という訓戒だったんだよ!!!!!! <な、なんだってー!!! (AA略


気になってちょっとググってみたら、夜詰め(夜勤)が夜爪に転じたんじゃないか、という説があるみたいですね。世詰め(早死)が夜爪に転じたという説も多いんだけど、それだと「親の死に目にあえない」というのは遠まわしすぎて不自然に思えます。やはり夜詰めが語源という説が一番筋が通っているんじゃないかな、とか。


とまぁ、非合理極まりない迷信の類から、思いがけずにわりと合理的な意味合いが見えてきました。かくも風聞・俗説というやつは馬鹿にできないものなのでした。ああ、やはり世の中には不思議なことなど何もないのだなぁ(そういや『×××HOLiC』の最新刊は、京極御大が帯にコメントを書いてたな。いい機会だからコミック買ってきてちゃんと読んでみよう)。

ちなみに爪は今朝やっと切れましたとさ。