腐り姫 〜euthanasia〜 (バレ)

腐り姫

腐り姫


他所様のレビューを見て回った結果、どうも僕はトゥルーEDを見ていなかったようです。さっそく記憶を失って再チャレンジ。「またやり直すのかよ面倒くせぇ」とかブツブツ言っていたんだけど、データ消去しても既読データは残るらしく、わりと楽にコンプできました。っていうか、いつ使うのかさっぱり判らなかったスキップ機能は2周目を見越しての機能だったんですね。ついでに回想に登録されたCGデータも残る様子。


で、前回書いたことはいくつか撤回。まず蔵女と樹里の関係。掲示板でご指摘を受けましたが、蔵女と樹里はやはり無関係ではなく、循環構造を持っているようですね。(トゥルーEDにおいて、蔵女=朱音と匂わせるシーンがある)


それともう一つは赤い雪。前回は「倫理を踏み外した人の想いが赤い雪になる」というようなことを書きましたが、ややニュアンスが異なるようです。不健全という意味では大差ないのですが、方向性としてはもうちょっと具体的で、(僕も上手く言葉にできないのですが)過去に囚われて未来に進めなくなるような、なんというか後ろ向きな不健全さが赤い雪に変わるのではないかと。(たとえば最後は心中でもするしかないような恋愛だとか、破壊的で破滅的な、停滞してただ腐っていくしかないような、そういうドロドロしたイメージというか)


重要なのは、その想いが未来に向かっていないというニュアンスで、物語をループ構造にデザインした意図はその辺にあるようです。というか、そう考えないと意味不明になるエピソードが多い。たとえば伊勢というキャラは自身の障害に拘り過ぎていて、周囲に対して反発してしまった、という過去がある。五樹に「過去に縛られず未来を見てください」とか執拗に言うのは、そういう経緯からなのだな。過去を忘れられずクロ(と赤い雪)に包まれて終わるEDとか、あるいは潤が音楽関係者を目指すとか言い出すエピソードとか、やはりその辺が上位のテーマとしてあったたのではないかと。


うむ、ちと手こずりましたが自分で納得できる程度には読めた、かな? とりあえず今なら、これは良いゲームであったと言えます。良い意味で手のひら返せて本当に良かった(笑)。