ミナミノミナミノ


昨日は一日中『ミナミノミナミノ』のことで頭と胸がいっぱいだった。


イリヤの空』を読んだ時は、甘酸っぱいようなホロ苦いような、少年時代の想い出を振り返るセンチメンタリズムって感じだったんだけれど、この『ミナミノミナミノ』は、今になって昔のツケを払わされているような胸を抉る痛みがある。ぶっちゃけ読んでて苦しい。あああああああ、でも続きが気になる!


しかし恐るべきは秋山瑞人。なんだ? 何者なんだ、この人は。もちろん僕はこの人を凄い作家だとは思っていた。それでもこの人の代表作は、生涯を通じて『猫の地球儀』や『イリヤの空』辺りになるのだろうと思ってた。でもひょっとしてこの人、猫やイリヤの水準が平均なのか? この水準の作品を、次から次へと書けちゃう人なのか?


っていうか、秋山瑞人にとって、この『ミナミノミナミノ』は、


「次は犬の話か便所の話にしようと思ってたんだけど、その後『殺人幼稚園児』の話にしようかなと思い直した矢先に、『ウソ中国の青春剣劇』を書くしかないと決意を改めたら、なんだか『イリヤの空』のアニメ化が決まったらしいので、急遽イリヤっぽい話をアニメのタイミングにぶつけました。でも頭を切り替えるのが大変で、思ってたより時間がかかりました」(あとがき要約)

……などという軽さで、さらっと書けてしまう程度の作品なのか? その話にまったく誇張がないのなら、聞いた瞬間に思い余って首を吊る作家が続出だと思った。


今はとにかくミナミノの感想を読み漁りたい気分。とりあえず、はてなダイアリーのキーワードで引っかかった所は片っ端から読んでくる。では!




文中、『イリヤの空』を『イリヤの夏』と間違えてた(修正済み)。恥ず…